CinemaScope CityScape
- 物販商品(自宅から発送)あんしんBOOTHパックで配送予定¥ 1,000
街の風景をシネマスコープのサイズで最高にかっこよく、そしてエモく撮影しました。 人間が注視できる範囲よりも横に長いシネマスコープ。その枠で街を切り取ると普段とは違う風景が見えてきます。 有明・新宿・羽田・横浜・秋葉原の風景を収録。 シネマスコープレンズ、NIKKOR 50/1.2、そして中判デジタルGFX50SⅡと多彩な機材とそこから現れる表現をぎゅっと詰め込んだ一冊です。 A4変形天綴じ 本文44ページ コミックマーケット100にて初頒布
序文
哺乳類の目を想像して欲しい。横方向に、ふたつ並んでいる目だ 種別によって差はあるが、原則、哺乳類は水平方向に視野が広い 人間の目は、水平200度、垂直125度ほどの視野角があるとされる 実際に注視できる範囲は更に狭く、中央の半分以下に限定される 人間は自らの前の光景について、見えてはいるが、見てはいない 翻って、人間が写真を見るときにはふたつの見方があるといえる 何かに注視するための視野、自身の空間上の存在を認識する視野 前者の視野は狭く限定されており、狭い画角によって表現できる 後者はどうするか。見えてはいるが見てはいないものを表現する 見えているがそぎ落としているものを消さないことで実現できる しかし、本来の生物の視野に、何も見ていない状況は存在しない 何かを見ようとして、その視野の外側には見ないものが存在する 広角の写真において、主題の設定が重要になるのはこの点にある 何を見ようとしているのかが明確でない画は理解しにくいからだ さて、では必ず画の中心に主題が置けるかといえばそうではない 主題が中心からずれるにつれ、見ていないものが減りそして偏る 見ていないものを残すためには、横方向に画角を広げ余裕を作る シネマスコープの役割は見ていない余白を残すことにあるだろう